ご挨拶

LABESSは2018年12月を持ちまして閉店いたしました。

10代の頃からお菓子作りを生業として、椎名町のLABESSでは14年と9か月の間、皆様に可愛がっていただきました。

感性の高い姉の芸術性とお菓子作りが好きな私達姉妹二人は、小さな研究室のような厨房で、誰に教わるでもなく、見本があるわけでもなく、イマジネーションとロマンを求めて日々試作や研究に明け暮れていました。

そんな生活から一変。

ある日突然、姉が病気の発作を発症しました。

病名も分からず、原因と治療法を探る日々が始まりました。

仕事が終わってから症状を事細やかに書き留めてネットや本で資料を探し続け、

やっとのことで病名を突き止めて良い先生にも巡り合うことが出来ました。

出会った唯一の治療方法は食事療法。

GI値の低い食品を、病状に合わせてきっちりと管理して食べて行くというものです。

姉の通院に付き添い、管理栄養士さんや主治医の話を熱心に聞き、勉強しました。

神様のいたずらなのか、お砂糖は一切摂取できません。

私達姉妹の夢とロマンのお菓子作りは封印されました。

そこからは私一人で企画、製造販売がスタートです。

そのような生活の中で「お砂糖が原因で苦しんでいる人たちがいるのに、お菓子なんて売って良いのだろうか?」

と疑問が浮かび、お菓子屋で有ることが辛く感じる時期も有りました。

そんな時、笑顔でお店に寄ってくださるお客様がその疑問の答えを下さいました。

私には師も居ないのですが、いつでもお客様から学ばせて頂きました。

誠実なお菓子を作ることで、お客様の笑顔にお応えしたい。

ケーキはほんの少しの非日常を味わえるロマンチックな食べ物。

厳しい食事制限のある中でも、健康で楽しく心豊かに食事をする工夫は出来ます。

いつしか、より生活に密で、日々のささやかな楽しみも味わえるパンを焼きたいと言う思いが強くなって行きました。

最終的には、「食」を表現する手段をもっと広げたいと。

 

そのような思いを理解して下さった、健康志向で温かく親しみの持てるパン屋さんのシェフブーランジェリーの元で修業を始める事になりました。

見習いから始めます。

物事を形にするのには年数が掛かりますが、頑張ろうと思います。

LABESSの店名は姉が付けてくれました。

「LABESS=思っていたら願いが叶う。夢とロマンを胸に抱いて貫く思いが大切」

そんな意味が有るそうです。

もっともっと「食」の表現力を身に付け、また、LABESSとしてどこかでお菓子やパンを作れるように精進いたしたいと思います。

14年と9か月の間、本当にありがとうございました。

LABESS 店主

“LABESS”チュニジアでは “元気?”と声掛けをするときに使うそう。

“人生には苦楽があるが、夢に向かって貫くロマンが大切”そんな意味合も。

アーティストとパティシエールの姉妹のインスピレーションから生まれるLABESSのお菓子は一口口にすると、心にロマンが溢れます。

当店使用のフレッシュヘビィ45%は市場には流通しない

森永乳業拘りの業界でもトップグレードの純生クリーム。

搾りたてのミルクの様な濃厚な美味しさは別格です。

近年、風味は二の次で生産側の利便性を追求した食品等が増えていますが、

素材の本来の風味を尊重して保存料、安定剤、乳化剤等を使用せず、

奄美諸島産喜美良糖、KAOKA社のオーガニックチョコレート、国産小麦、奥久慈卵等、身体に優しくて美味しい素材を厳選しています。